東海汽船様で20年以上稼働してきた乗船券予約システム。老朽化したサーバーや専門エンジニアの不在など、「いつ限界が来てもおかしくない」という状況のなか、その刷新プロジェクトの推進役を担ったのが、株式会社NEXT MANAGEMENT Holdings様でした。
しかし、社内にプロジェクトマネジメントのノウハウや本件に関する専門知識が少ないことに課題感をお持ちであったため、KICK ZA ISSUEにご相談いただきました。
今回は、KICK ZA ISSUEの高い専門性と現場目線で寄り添うプロジェクト推進支援について、株式会社NEXT MANAGEMENT Holdingsの矢島様にお話を伺いました。
旅行業システムの延長線で“専門外”の船会社基幹システムに踏み出した
旅行システムのテスト導入が、乗船券予約システム刷新プロジェクトの入り口に
御社が東海汽船様の乗船券予約システムの刷新プロジェクトに関わることになった、最初のきっかけを教えてください。
矢島様
もともと弊社には旅行会社のグループがあり、旅行システムをすでに自社で開発していました。それを東海汽船様に半分テスト的な形でご利用いただいていた経緯があります。そのなかで、「乗船券のシステムのほうも少し困っている」「そちらもぜひお願いできないか」とお話をいただいたのが入り口です。
正直、船会社の基幹システムは我々の畑とはかなり違いますし、規模感も違う。「受けるか、受けないか」と社内でもかなり議論しました。ただ、せっかくの機会ですし、いろいろ挑戦してみようということで、お受けすることにしました。
20年以上使い続けた“いつ限界が来てもおかしくない”システム
既存システム側には、どのような課題があったのでしょうか。
矢島様
まずかなりアナログなシステムだった、というのが一つ。そして、もう20年以上使われていて、サーバーのランニングコストも年々上がってきていました。運用する上での負担としては、この2つが大きかったですね。
保守もされてはいたのですが、古いプログラムで作られていたこともあり、当初作られたエンジニアさんはもういらっしゃらない。ハードの部品調達も難しくなってくるのでは、という状況で、「負担」というよりは「もう限界のタイムリミットが来る」という感覚の方が強かったと思います。
“現場目線を持った専門家”だったことが決め手に
個人のフリーランスも含めて5〜6社を比較
当社以外にも選択肢を検討されたと伺いました。実際、何社くらいを比較されたのでしょうか。
矢島様
企業とフリーランス含めて、5〜6社ぐらいは当たりました。我々自身、これだけ大きいプロジェクトを推進した経験がなかったので、いろいろ調べていました。
“現場目線×専門性”の両立と、最後は「人」
その中で当社を選ばれた決め手は何でしたか?
矢島様
まず、専門性の高い方にお願いしないと難しいプロジェクトだという前提がありました。RFI・RFPの段階から要件定義まで、上流工程を取りまとめる力、システムを動かすスキルが、我々には圧倒的に足りなかったからです。
石川さんのお話を伺うなかで、専門性の高さに加えて、「現場目線で一緒に入ってくれる」というところが一番の決め手になりました。最終的には、打ち合わせでの人間性も大きかったと思います。 “スキルもあって、我々にも寄り添ってくれる”という点が魅力的で、決めさせていただきました。
RFI・RFP、ベンダー選定、WBSから業務フローまで—上流工程を“1から”伴走
「何がベターで何がバッドか」も分からない状態からのスタート
プロジェクトはどのように始まりましたか?
矢島様
事前に我々のほうで運用フロー・業務フローは現場ベースで落とし込んでいました。ただ、ここまでの規模のプロジェクトを“どう進めるか”という全体像が、正直まったく分かっていなかったんです。そこをかなり教えていただいたと思っています。
「何がベターで何がバッドか」も分からない状態から、“どういう動き方をすれば良いのか”を一緒に整理していただきました。現場もベンダーさんもいる中で、スキルのない我々だけでやり取りすると「本当に大丈夫か?」と思われてしまう。上流工程のプロジェクトマネジメントを一緒にやっていただけるかどうかが、一番の不安要素でしたから、本当にありがたかったです。
ベンダー選定 → 契約 → WBS → 業務フロー → 新システム構成まで
当社の支援はどのような内容でしたか?具体的にお聞かせください。
矢島様
本当に1から伴走していただきました。まずはベンダー選定から始まり、そこで必要になるRFI・RFPの作成提出まで支援していただきました。
ベンダーが確定してからも、WBSの作成、業務フローの整理、新規のシステム構成の検討、機能要件のまとめ方まで、隅から隅まで伴走してくれました。通常、一般の事業会社だと、機能要件を本当に細かいところまで詰めきれないことが多いと思うんです。そこを、資料作成とWBS管理も含めて、ベンダーと我々の間に立って管理していただけたのはとても大きかったですね。
プロジェクトマネジメントのプロとしての動きが、一番助けになった
プロジェクトを進める中で、「特に助かった」と感じた場面を教えてください。
矢島様
我々では手が届かない要件定義のところですね。「この機能要件で十分なのか」「このくらいの規模のプロジェクトなら、このくらいは担保しておいた方がいい」——自分たちだと突っつけないポイントまで踏み込んでもらえました。プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとして入り込んでいただけたことが、本当に大きかったです。
「素人に優しい」 ― ベンダーと現場の間で“橋渡し役”を担ってくれた
現場にも足を運び、ベンダーとのミーティングにも常に同席
当社とのコミュニケーションで、特に印象に残っていることはありますか?
矢島様
現場にも一緒に行っていただきましたし、ベンダーとのミーティングにも常に同席していただきました。率直に言うと「素人に優しいな」という対応でした。
我々が「ちょっとよく分からないのですが…」と聞いても、「それじゃダメです」と突っぱねない。現場の東海汽船様も、システム会社さんから「それはできません/ダメです」と返されることが多く、そこをすごく気にされていたんです。KICKさんは、そうならないように我々や現場の立場に立って、ベンダー側にも要請・助言してくれました。
「ここまで」と線を引かず、成果物と現場に踏み込んでくれる
ほかのコンサル会社や支援会社との違いを感じた部分はありますか?
矢島様
コンサルの方々の場合、「ある程度ここまで」と業務支援の範囲を線引きされることが多いと思います。KICKさんは、そこよりもう少し成果物にまで踏み込んで取り組んでいただけたり、直接現場にも足を運んでいただけたりしました。
常に我々と同じ目線で、ミーティングも現場も一緒に動いていただけた。型に当てはめるのではなく、弊社と現場に寄り添った形で提案をいただけた。ここが他社との一番の違いだと感じています。
ほぼ遅延なく完走、社内ITリテラシーの底上げにも
プロジェクトが“ほぼ遅延なし”で完走
ご支援を受ける前に期待していたことと、実際の成果を比べていかがでしたか?
矢島様
一番大きかったのはスケジュールです。トータルで約1年の開発期間で、遅延がほぼなく終えられました。この規模感のプロジェクトで、支援なしでここまでやり切るのは難しかったと思います。「ちょっと遅れるのは仕方ない」という空気になりがちなところを、そうさせず“お尻”をしっかり守れた、というのが一番大きいですね。
ロードマップもしっかり描いていただき、それをほぼそのまま遂行できました。現場も、弊社の代表も、東海汽船様の代表も、一番気にされていたのは納期です。そこを守り切れたことには、プロジェクト全体として満足できたと思います。これはご支援いただけたおかげです。
社内のITリテラシー・保守スキルが明確に底上げされた
システム刷新後、社内やお客様側にはどのような変化がありましたか?
矢島様
弊社側でいうと、もともと足りていなかったITシステム面のリテラシー・スキルが、社内のレベルとして明確に上がりました。今も継続して保守を担っている立場なので、その前提になる力が社内についたのは大きな変化です。
現場の東海汽船様側では、「専門の方がちゃんと入って動いてくれている」という安心感が非常に大きかったと伺っています。“専門じゃない人に頼んで大丈夫か”と思われるのは仕方ないことですが、「きちんと専門家を入れていますよ」と示せたことで、東海汽船様にも安心していただけました。
新しい領域への足がかりになり、会社としての“伸びしろ”が広がった
“自分たちの畑を越えた領域”に踏み出せたことが、一番の価値
今回のプロジェクト全体を振り返って、御社にとって特に価値があった点はどこにありますか?
矢島様
正直なところ、ご支援をいただかなければ、このクラスのプロジェクトを扱えたかどうかは分かりません。「我々の業界では基本的にやれないだろう」というようなプロジェクトに携わり、しかも受注できたこと——これは普段であればなかなか起こらないことです。
新しい領域に踏み出せたということ自体が、会社としての価値になりました。今後の事業展開の幅も含め、「会社としての伸びしろができた」と、強く感じています。
実績として自社に残り、次の案件につながる“ハクがついた”
他に、受注という面以外での効果はありましたか?
矢島様
我々自身も現場に入りながら伴走していたので、経験則としても、実績としても、しっかり社内に残りました。やり切った、ということが大きいです。他社様から「こういう案件ができないか」とお声がけいただく場面でも、“このクラスの実績がある会社なんだな”と見ていただける。“ハクがついた”と言えると思っていますし、会社としての企業価値そのものにつながっていると思います。
推薦コメント:ちょっとしたことも気軽に相談できる存在
最後に、当社へのメッセージ・推薦コメントをお願いいたします!
矢島様
まずスキルをしっかり持っていらっしゃる。そのうえで、些細なことから大きなことまで、気軽に相談できる会社です。本当に小さなことでも、現場目線で“寄り添ってくれる姿勢”は、ぜひこれからも続けていっていただきたいです。
弊社としても、今後また同じような案件を受けたり、違う種類のシステム案件にチャレンジしたりする機会があると思います。その時は、ぜひまたKZIさんにお願いしたいと思っています。このプロジェクトが実績として残っているので、社内としても「ご依頼しやすい」。変わらずのスタンスで伴走していただけたら、というのが一番の期待ですね。